先史代住居
博物館を後にして、小高い丘まで歩く事10分。
東と西に位置する2つの聖なる山を見上げ、眼下にオーリオ川を眺める事が出来る
場所に先史代の住居が再現してあります。
ここは標高500m程で、サボテンが群生する程の温暖な南斜面です。
岩絵を残したカムーニ族はおそらくこの辺りに住居を構えていたであろう
と言われています。
そしてこの谷に風が吹き抜ける、南北の方角に入口と窓を作って風を通し
太陽が動く東から西に屋根を作る事で藁葺きの屋根を乾かすという
理にかなった家のお話などを興味深くうかがいました。
(方角を変えて建てた家は5年程で屋根が腐ってしまったそうです。)
このスペースに20人程の家族が一緒に暮らしていたそうです。
また、乾かしたキノコを着火材にしていたようでこれもなるほど先人の知恵です。
倉庫は、高床になっています。
先史代にここで聖なる山から見える光を「神の存在」として信じていたカムーニ族。
今もその光は存在し自然は何も変わっていない、その一方で変わった我々人間は
何を失ってしまったのか・・・。谷に吹き抜ける風に、ふと思いました。